中国とナイジェリア:9.おわりに & 資料編 |
第九章:おわりに 「中国とナイジェリア」という表題ですが、第二章から第八章にかけ、ナイジェリアについて述べてきました。 その狙いは、両国を相互に比較する以前に、あまり知らなかったナイジェリアを知りたかったからです。 「おわりに」にあたり、二点について述べたいと思います。 ★1.中国とナイジェリアとの友好関係 ★2.中国とナイジェリアの共通点と相違点 1.中国とナイジェリアとの友好関係 中国とアフリカの交流は、15世紀、明の時代に、鄭和が中国からインド洋を経て、大艦隊を率いて、アフリカ東海岸のマリンディ(ケニア)まで行った記録があります。このルートは既に1~2世紀頃からあったものです。 最近では、2013年、習近平総書記が、「シルクロード経済ベルト=一帯一路政策」構築を提案し、その一環として「21世紀海洋シルクロード=21世纪海上丝绸之路」がアフリカ、更にはイタリアまで延長されています。 この構想へのアフリカでの参加国は、ジブチ、エジプト、エチオピア、ケニアです。 政治面では、現代中国建国後で、アフリカ諸国の賛成を取り付け、中華民国に代わり、1971年に、国連の安保理事国となった経緯があります。 その後も、中国とアフリカ諸国との友好関係は永年にわたり、現在まで続いています。 それは、中国首脳とアフリカ諸国首脳との頻繁な交流にも見て取れます。 また、コロナ禍の中で、中国製マスク、シノファーム社製のワクチンの供給などにも見られます。 民間レベルでも、アフリカでの鉱山業務、建設業、商業など多くの部門で、中国人が従事しています。 経済発展が著しいアフリカは、今後とも、中国製品の有望な消費市場です。 両国の官民挙げての交流は、今後とも続いていくことと思われます。 中国首脳と今回取り上げたナイジェリア首脳との相互訪問の例は、次の通りです。 ★★画面をクリックすると、フル画面となります。 元の画面に戻るためには、最上段の「jpg」の後の「✖」印をクリックし、フル画面を消して下さい。★★ ![]() ★資料: 中国首脳とナイジェリア首脳との相互訪問 1973年には、周恩来が、第八章でお話したオコイ・アリクポ外務大臣を訪問しています。 1974年には、毛沢東が、ゴウォン大統領を訪問、以降、2021年の王毅国務委員兼外交部長(外相)が、ブハリ大統領を訪問するに至るまで、半世紀に亘る友好関係を築き上げています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 2.中国とナイジェリアの共通点と相違点 両国の共通点は、第一章「はじめに」で述べた通り、規模の大小はあるものの、両国とも同数の「民族」を抱えた多民族国家である、という点です。 多民族国家が国家として同一性を維持するには、日本のように民族数が少ない国家には想像できない困難があります。 第八章「ビアフラの内戦」で見た通りです。 「多民族が同国人としての意識を持つことができるか」、大変大きな課題です。 もちろん、中国も同様の課題を抱えていますが、ナイジェリアには見られない国家としての強い働きかけがあります。 なぜ、このような相違がなぜ生じたのかを見ることで、中国の特殊性が浮かび上がってくると思います。 ![]() 中国の歴史から、次のことが言えると思います。 中国の特殊性、それは、紀元前221年、秦の始皇帝によって国家統一が成されたことです。 これにより、中央集権国家・官僚統治制度・国家単位での貨幣や計量単位の統一・言語、文字の一本化を実施しました。 これにより、多民族を一つに束ねることができました。 その後、王朝は代わり、異民族が支配者となることもありました。しかし、早い時期に成立した被支配者としての多民族の同一性は維持されてきました。 なぜ秦の始皇帝は国家統一ができたのか? その一因に、南北よりむしろ東西に領土を拡げられたからではないか、と思います。 東西、つまり、同一緯度帯、同一気候帯での進軍は、熱帯を含む異緯度帯、気候帯より負担が軽かったのではないか、と思われます。 第三章で引用したジャレド・ダイアモンド氏の記載が気になりますので再度引用します。 「・・農業が、北米やサハラ以南のアフリカ大陸にくらべてユーラシア大陸で速く広がったことは、 ・・この大陸で文字、冶金術、科学技術、帝国といったものが、他の大陸よりもずっと速く広がったことに大きく関係している。 ・・こうした相違は、アメリカ大陸やアフリカ大陸が南北に長い陸地であるのに対し、ユーラシア大陸が東西に長い大陸であることの反映ともいえる。 そして人類の歴史の運命は、このちがいを軸に展開していったのである。」 < 資料編 > 第一章 ★★サイト紹介 [ ヨシュア・プロジェクト ] [ サイト名 ]部分をクリックして下さい。以下同じです。 画面中央の「 Explore unreached peoples 」 の世界地図上の検索したい国にカーソルを合わせ、クリックして下さい。 第二章 ★★サイト紹介 [ Bloomberg Billionaires Index (世界の億万長者ランキング ] ★★サイト紹介 [ 外務省海外安全ホームページ:ナイジェリア テロ&誘拐情報 ] [ サイト名 ]部分をクリックして下さい。 [ 変革期のナイジェリアに今こそ視線を(ナイジェリア)] 第三章 ★★サイト紹介(世界の国別 peoplegroups のサイト) [ peoplegroups.org] 使い方:「MAPS」画面の左「 Start Exploring 」の三段目「 Country 」から検索したい国を選び、 「 submit 」キーをクリックして下さい。 目的国が出てきますので、上部 「MAPS」隣りの「LISTS」キーをクリックすると、「 People Group 」 の画面が出てきます。 ★★サイト紹介(glottolog=世界の語族のサイト) [ Families:Showing 1 to 100 of 425 entries (filtered from 4,690 total entries)] 「Name」「Level」「Macro-area」項目を適宜選択して下さい。 第四章 ★★サイト紹介(世界の国別 peoplegroups のサイト) [ 地球ことば村:アフリカ固有の文字 ] ★★サイト紹介(Language of Nigeriaのサイト) [ Language of Nigeria ] 第五章 ★★サイト紹介 [ ウスビ・サコ氏インタビュー ] 第七章 ★★サイト紹介(世界歴代の支配者のサイト) [ 世界歴代の支配者 ] ★★サイト紹介 [ ナイジェリア:第四共和制の行方:アジア経済研究所:望月克哉氏:編集 ] [ ナイジェリア:CIA THE WORLD FACTBOOK ] [ 2019年ナイジェリア国政選挙――ブハリ大統領再選の背景と今後の課題―― ] 第八章 [ 悪夢のナイジェリア生活(Ameba ブログ) ] 付録 [ 人民網日本語 ] |