中国とナイジェリア:1.はじめに  


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第一章:はじめに

1.中国のアフリカに対する関心

最近、中国の若者と話をする機会がありました。 その際、行ったことのある国で、アフリカの モロッコ、エジプトを上げた人がいて、面白いと 感じました。 中国の若者がアフリカに関心があることには、 個人的背景に加えて、国家的背景があると思います。

①個人的背景

個人的な面では、一般的に、彼らの親戚、知り合いが 既にアフリカに進出しており、当初から親しみを感じて いた面もあります。 因みに、アフリカ諸国で生活している中国系の人数の 分布は別紙の通りです。
中国系が1,173,500人:日本人は0人です。
それらの人々は、個人商店営業もありますが、別紙の天然資源 開発、建設工事などに携わる中国資本の従業員が多いと思います。

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★資料:
1003 天然資源と在住中国人人数
天然資源と在住中国人人数

②国家的背景

国家的背景では、中国が採る「一帯一路」政策の中で、 中国からインド洋を経て、アフリカ東部に至る 「海のシルクロード」構想があります。
このルートは既に1~2世紀頃からあったものです。
この構想へのアフリカでの参加国は、ジブチ、エジプト、 エチオピア、ケニアです。

★資料:
1009 海のシルクロード
海のシルクロード

③歴史的背景

歴史的背景もあります。 現代中国建国後で、アフリカ諸国の賛成を取り付け、中華民国 に代わり、1971年に、国連の安保理事国となった経緯があります。
その後も、中国とアフリカ諸国との友好関係は永年にわたって 続いています。
それは、中国首脳とアフリカ諸国首脳との頻繁 な交流にも見て取れます。

中国首脳と今回取り上げるナイジェリア首脳との相互訪問 の例は、第九章で見たいと思います。

④将来的展望

将来的展望もあります。 アフリカ大陸の面積は、アメリカ、または同程度の中国の面積 の三倍+αの規模で、天然資源にも恵まれ、極めて将来性が高い 製造基地であると同時に、残された巨大な消費市場でもあります。

★資料:
1012 アフリカ大陸
1015 アフリカ大陸
1018 アフリカと日本の面積比較

アフリカ大陸 アフリカ大陸 アフリカと日本の面積比較


(原資料:ヨシュアプロジェクト=キリスト教布教活動団体)

(この団体は、世界のキリスト教が普及していない地域で布教 活動を行うことを前提に、各地の現在の状況を収集し、実際に 宣教師を派遣しています。
前回、中国西南民族を勉強する際も 利用したサイトです。国際機関、政府の調査ではなく、信憑性 が疑われる向きもあります。
また、歴史的に宣教師が果たした 役割を疑問視する考えもありますが、宣教師の情熱、真剣さを 考えると、極めて優良な資料と思います。
フランシスコ・ザビエル、新井白石がその見識を「西洋起聞」 に記録し、後に禁を破り布教し、地下牢で衰弱ししたシドッチ、 アイヌ語翻訳に尽力したジョン・バチュラーなど数多くの 宣教師の活動があります。)

因みに、ナイジェリアのキリスト教徒の比率は51.3%で、北部 はイスラム教、南部はキリスト教と分かれています。

★資料:
1021 キリスト教徒比率

キリスト教徒比率

★★サイト紹介
[ ヨシュア・プロジェクト ]

[ サイト名 ]部分をクリック、画面中央の「 Explore unreached peoples 」 の世界地図上の検索したい国にカーソルを合わせ、クリックして下さい。

2.ナイジェリアを取り上げた理由

中国との関連で、アフリカ、なかでもナイジェリアを取り上げた 理由は、いくつかあります。

①個人的理由

個人的には、昔からのアフリカへの興味です。 「少年ケニヤ」に始まり、アフリカ諸国の独立が相次いだ 1960年、1964年のオリンピックでのアフリカ勢の活躍などが ありました。

★資料:
1051 少年ケニヤ
少年ケニヤ

1969年、そう50年以上前、私達が壮年、青年で活躍の頃、 世界でも色々な事件がありました。
明るいニュースもある中で、ナイジェリアでのビアフラ内戦 のニュースは暗く、気持ちの整理がつかず、時計が止まった ままでした。
今回、参照させて頂いたナイジェリアの専門家:室井義雄先生 は、ビアフラ戦争に関して、次のように書いています。
「・・なにかを語りたいのに、その想いが風化していくこと に対するいいようのない恐怖心であったのかもしれない。
歴史を顧みることなく現在を語ることに対する、気まずさ であったのかも知れない。・・」同感です。
ベトナム戦争では、ベトナムはアメリカに負けず、区切り を付けましたが、日本は・・・。

★資料:
1053 フランシーヌの場合 



そこで、ナイジェリアの国情を見ていく中で、中国との 比較をしてみよう、と思いました。

②中国との比較

人口面で、中国はアジアに限らず、世界での超大国です。
ナイジェリアは、中国との比較では人口規模は小さいものの、 アフリカでは最大の人口を抱えています。
他方、前出のヨシュアの資料によると、中国とナイジェリア 両国在住の民族数は、ともに同数の543民族です。
これだけ多くの民族が一つの国家として、どう纏まるかに、 興味がありました。

★資料:
1058 ナイジェリアの位置:人口アフリカ最多
1061中国:543グループ
1063ナイジェリア:543グループ

ナイジェリアの位置:人口アフリカ最多 中国:543グループ ナイジェリア:543グループ

3.中国とナイジェリアの相違点

同じ多民族国家と言っても、中国とナイジェリアには、 相違点があります。
このような相違がなぜ生じたのか を見ることで、中国の 特殊性が浮かび上がってくると思います。

4.「中国とナイジェリア」:目次

第一章:はじめに
第二章:ナイジェリアとは
第三章:アフリカの語族系統
第四章:ナイジェリアの主要語族
第五章:ニジェール川中流域内陸の帝国の変遷(塩の時代)
第六章:大西洋三角貿易~イギリス植民地化(砂糖の時代)
第七章:イギリス植民地化以降、現代まで
第八章:ビアフラ内戦
第九章:おわりに & 資料編

[2.ナイジェリアとは ]

[0.中国とナイジェリア」冒頭画面]


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