『 中国の気候・風土 』 |
中国には、熱帯、亜熱帯、温帯、亜寒帯、寒帯の五つの気候帯総て
が揃っています。 各地の熱量、降水量、乾燥度は様々ですが、緯度的には、スペイン、 北アフリカと同様の位置にあります。 風土的には、平原部分が12%、山岳・高原が60%、 高度では、500米以下が25%、地目では、耕地は10%、 草地が40%となっています。 中国の風土を考える際に、河は欠かせません。 中国全土の地図には、長江、黄河をはじめとする多くの河が 張り巡らされています。 中でも、七大水系と呼ばれるのが、北から南へ、松花江、遼河、海河、 黄河、淮河、長江、珠江の七つの大河です。 これらの河の流域面積は広大で、多くの文明がこの流域で興りました。 中国の河(「遼河」=「 Liao 」)について書いた夏目漱石の「満韓ところどころ」 の一文を、青空文庫から覗いて見ましょう。 遼河のある遼寧省もそうですが、地名についている「寧」の字の意味は 「安らか」ということです。 この「寧」がつく中国の地名は数多くあります。 「遼河よ、安らかなれ!」「『西夏』の霊、安らかなれ!」「海の波よ、安らかなれ!」 「西の民よ、安らかなれ!」「荒ぶる河、怨霊、海、自然、異民族よ、安らかなれ!」 「水能载舟、亦能覆舟」(荀子)「君、舟也。人、水也。水能载舟、亦能覆舟」(『貞観政要・論政体』) 民を治める皇帝、王たちも、自らを大河に浮かぶ小舟になぞらえ、身の平穏を祈ったに違いありません。 更に、中国の風土を空から見ると(想像図)、予想以上に山岳地帯が目立ち、平野部は狭小です。 平地にある省もありますが、山岳、高原、盆地にある省も数多くあり、バラエティーに富んでいます。 |
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