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        01.はじめに



第一節:はじめに

★参考資料[○○]の部分をクリックして御覧下さい。

目次

1.身近な中国語
2.「言語」って何だ?
3.表音文字と表意文字(広義)
4.簡体字を学ぶ必要性
5.漢字の面白さ

1.身近な中国語

いよいよ東京五輪の開幕です。また、この数年、外国人の訪日が盛んです。
この状況に対応して、街中で外国の文字の表示を見る機会が増えました。
電車の車内にも、駅の表示板にも外国の文字が付記されています。
英語、韓国語などの文字に加え、中国語の文字もあり、身近に感じます。

2.「言語」って何だ?

広辞苑によると、「言語とは = 人間が音声や文字を用いて思想・感情・意志 等々を伝達するために用いる記号体系。およびそれを用いる行為。  とされています。
音声による伝達は総ての民族で行われますが、文字による伝達をしない民族もいます。

3.表音文字と表意文字(広義)

街中に表示されている「 文字 」には、発音を表わす文字(表音文字)と、意味を表わす文字(表意文字)があります。
英語、韓国語は表音文字であり、中国語は表意文字です。
私達の日本語は、表意文字である漢字に、表音文字のひらがな、カタカナ、ローマ字を組み合わせた複雑な言葉です。

表音文字 → 発音 → 意味(話すこと、聞くことを重視)
表意文字      → 意味(書くこと、読むことを重視)

近年、漢字を表意文字(広義)の中でも、表語文字と分類します。

表語文字 → 意味 + 発音 の双方を表わす、としています。

或る意味を伝える場合に、表音文字が表意文字より文字数が増えます。
ひらがなの「ひょくまんえん」と漢字の「百万円」を比較で分かります。

★例示=以下「マルコ福音書第一章第一節」ご参照

[トルコ語(表音文字):日本語:中国語=簡体字:繁体字(表意文字)]

4.簡体字を学ぶ必要性

中国の漢字には、台湾、香港などで使われる繁体字(正字)の他に、繁体字の一部を簡素化した簡体字があって、大陸で使われています。
中国語に関心がある私達は、日本で使われている表意文字の漢字の新字体に、「教育漢字」学習の時代から慣れ親しんでいます。
その点で、英語圏などの人々と比較して学習上、有利です。
確かに、私達の新字体と中国の簡体字、繁体字で、字形が同じものも少なくありません。
例えば、皆さんに馴染ある夏目漱石「吾輩は猫である」の冒頭部分の日本語翻訳を見てみましょう。
親日家の新鋭翻訳家:李筱硯氏による「我是猫」の冒頭の一文です。
もちろん、翻訳は直訳ではなく、その国に合せた意訳の場合もあります。
ですから、分かる漢字から、そう訳すのか、と感心することもあります。



でも、新字体、簡体字ともに、繁体字をもとに出来てきた経緯で、字形が変わったものもあります。
一見読めそうな簡体字の文章も、一字が読めないばかりに、内容が掴めないことがあります。
もちろん、文章は文字の羅列ではなく、発音も、文法もあり、読めば分かる単純なものではありません。
でも、確実に「最初の一歩」です。
一字の躓きを何とか乗り切り、最初の一歩を踏み出したい、そんな思いで、簡体字を学ぶ必要性を感じ、憶えたい簡体字を調べて見ました。

5.漢字の面白さ
漢字に詳しい中国文学者に、京大名誉教授の阿辻哲次氏がいます。
先生の名前は、お友達に教えてもらい、本屋で漢字関係の本を五冊買うこととなりました。
その本で、「最初の一歩」で中国語が分かると思ったら、大間違い、と冷や水を掛けられた一方で、漢字の面白さを知ることが出来ました。
これ以降、数多くの参考サイトをご案内しますが、他のサイトはともかく、先生の京大での最終講義を収録した以下のサイトは、是非お見逃しなく。

[ 阿辻 哲次 教授「電子時代の漢字研究」 ]

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[ 0. 教育漢字と簡体字    ]
[ 1. はじめに         ]
[ 2.中国の文字        ]
[ 3.対象とする漢字      ]
[ 4.漢字の成り立ち      ]
[ 5.簡体字成立の経緯     ]
[ 6.簡体化の種類       ]
[ 7.憶えたい簡体字      ]
[ 8.文字の将来        ]
[ 9.資料編          ]

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