『 Marvin Gaye What's Going On Live 1972 』     



1971年1月、シングル「What's Going On=今起きていること」を発表。(キング牧師が暗殺された三年後)

ベトナム戦争や公害、貧困といった社会問題を取り上げた歌詞と、 それに対する苦悩を赤裸々に表現したマーヴィンの歌唱は、聴衆の心に響きました。

母親への呼びかけで始まる歌詞は、クイーンの「ボヘミアンラプソディ」と同じです。

Mother, mother
There’s too many of you crying
Brother, brother, brother
There’s far too many of you dying
You know we’ve got to find a way
To bring some loving here today

しかしこの後1984年、同居していた自宅で口論になった際に、激昂した父親が息子に発砲。
至近距離から放たれた2発の弾がそれぞれ胸部と肩に命中し、病院に運ばれる前に彼はそのまま帰らぬ人に。
父が使用した拳銃は、生前に息子からプレゼントされたものでした。

これに先立ち、信心に基づいた、非常に理性的で慈愛に満ちた父親(左側:白服)との会話が記録されています。
ここから、理想的な父子関係である事が窺えます。
話し合いによる相互理解の重要性を歌ったゲイ本人が、その最も憎んだ暴力により命を絶たれるという皮肉の極みです。

マーヴィン・ゲイ(1939年生まれ):オーティス・レディング(1941年生):アレサ・フランクリン(1942年生)
ソウルミュージックの素晴らしい世代でした。


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